「ラ・フォル・ジュネ 熱狂の日」


シューベルト交響曲第1番ニ短調D82
シンフォニア・ヴァルソヴィア、ヤツェク・カスプシク指揮
 5月2日、仕事を終えて会場到着と同時に、当日券があると聴いてすかさず購入した演目です。この音楽祭はシューベルトの特集ですが、自分はシューベルトについては好きも嫌いもない、というか実は有名な曲以外聴いたことがないのですね。思い浮かぶのは野ばら、ます、交響曲未完成ぐらいでしょうか。交響曲第1番はこの日生まれて初めて聴いたと思うのですが、大変良い曲だと思いました。いやあ、今までちゃんと聴かなくて申し訳ありませんでした、と謝りたい気持ちになりました


シューベルト:ピアノ5重奏イ短調D667「ます」
ドミトリー・マフチン(バイオリン)、 アレクサンドル・クニャーゼフ(チェロ)、 ボリス・ベレゾフスキー(ピアノ) 、エリーナ・バク(ビオラ)、マーク・マーダー(コントラバス
 本当はピアノ三重奏が聴きたかったのですが、スケジュールが合うのがあっというまに完売だったので、とにかくロシア3人組の生演奏が聴きたい一心で選んだ演目です。席がかなり後ろの方だったのと、会場の音響が今ひとつだったのがちょっと残念でしたが、まあ1500円ですから満足すべきなのかな。曲目上、チェロが控えめでクニャーゼフらしさがよくわからなかったのも少し物足りない感じがしました。ただ演奏そのものは良いアンサンブルで、特にペレゾフスキーとマフチンの掛け合いの部分は見事でした。ペレゾフスキーのピアノは凄いと感じた1曲です。


シューベルト:バイオリンと管弦楽のためのロンド イ長調D438
庄司紗矢香(バイオリン)、シンフォニア・ヴァルソヴィア、ヤツェク・カスプシク指揮
 無知を曝してしまうけど、この日まで庄司紗矢香さんのことを全く知りませんでした。でも大変素晴らしい演奏で、この曲でファンになってしまいました。まさに踊るように弾いていて、聴いていて楽しかったです。できるものなら、もう1回聴きたい。そんな感じです。


ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調作品73(皇帝)
ボリス・ベレゾフスキー(ピアノ),シンフォニア・ヴァルソヴィア、ヤツェク・カスプシク指揮
 僕の兄は音大出て教師をしているのですが、彼がピアノをずっと習っていたため、否応無くピアノが耳に入り、演奏についてはそれなりの知識はあるのですが、ペレゾフスキーの演奏についてはもう唖然というか、遥かに想像を超えていました。難しいところもさらりと滑らか、指の力も相当なものだと思うのですが、音が軽やかに出ていて力みを感じません。本当に驚きました。演奏後周囲の人の会話を聞き耳をたてると、「早い」とか「きっと手がでかいに違いない」という声が聞こえました。ピアノを習ってるという感じの女性の「参考に出来ない演奏だわ」という声が印象的でした。自分は2階席でしたが、この演奏については「かぶりつき」で聴いてみたかったですね。


 5月3日は家族で「ラ・フォル・ジュネ」に行ってました。ライブの半券で無料で聴ける演奏や子供向けイベントに参加してました。子供向けイベントは結構積極的に参加するつもりでしたが、10時半に会場に着いたときには大半のイベントが受付終了になっていて少しガッカリでした。無料で聴ける演目はチケットの半券で入れるエリアの他、国際フォーラムのオープンスペースにもあっていろいろ聴いたのですが、5歳の娘にはシューベルトは早かったようです。落ち着きのないことといったら・・・かなりヒヤヒヤしました。まあ仕方ないですかね。そんな彼女でも、子供向け楽器体験イベントはかなり気に入ったようです。内容によっては有料の演奏も子連れで取ろうかと思っているのですが、来年は大丈夫かいささか不安です。
 最初は雨でしたが、夕方ごろには晴れ間もでて、オープンスペースの屋台村で、様々なエスニック料理をつついてお祭り気分も味わいました。日本にはこんなにクラシック音楽ファンがいるのだ、と驚くほど人が大勢来ていましたね。

とにもかくにも父さんにはつらいGWだった、ということですね。