ギャツビー読了報告、過去読んだ最高の本とか
今日、フィッツジェラルドの「グレート・ギャツビー」(村上春樹訳)を読了。昨日から読み始めて2日目、読書時間は延べ5時間程度かもしれない。それを思うと読むペースがいささか早いかもしれない。でもね、久しぶりに面白い本をよんだ。本当に没頭した。今朝、電車内で読んでいたのだが、降りる駅に着いたことに気付くのが遅れてドアの閉まる直前に大慌てで降りたりしたぐらい集中して読んでいた。仕事中も未読部分がどうなっているのか気になって落ち着かないほどだ。昼休みに読み終わったのだが、午後から仕事により、その感動に浸ることができないことが本当に哀しかった。どうせなら、この小説の舞台のロングアイランドのように海が見えて、5月下旬ごろの穏やかな晴れた日に風通しのよい部屋でコーヒーなんか飲みながら読みたかった。なんでまたこんな時期の混んだ埼京線で読む羽目になっているのだろう。読了後のアート的余韻を楽しめないこの境遇が侘しい。
訳者あとがきにも書いてあるけど、村上春樹は「グレート・ギャツビー」を「もっとも重要な1冊」としている。最初にこの話を聴いた時は「なぜ?」と思ったが、今回読んでみて「それもありかも」と納得している。それだけの魅力あるストーリーだし、人生とか世の中のことについてあれこれと思い悩む多感な10代の時期にこの本を読めば、その時の状況によるかもしれないけど、自分もある種の強い感動を持ったと思う。
それでだが、一番最初に「グレートギャツビー」を読んだ時、なぜ僕は村上春樹のように心動かなかったのだろうか?というのが問題になる。実は僕は10代、おそらく高校2年から3年の時期に、この本を読んでいる。読んだという記憶はあったが、今日ほどの感動は無かったように思う。
自分にとって重要な本は何かと問われたら、1冊にするならジョン・アップダイクの「カップルズ」を上げる。多分16か17の頃に読んだ。これを読む前と後では様々な事柄について価値観が変わり、見慣れた街の風景に対する印象も変わってしまったように思えるぐらいの衝撃を受けた。「カップルズ」を読んだすぐ後ぐらいに「ギャツビー」を読んでたのなら、まあ仕方ないかと思うのだが、何せもう26、7年前の話。とんと記憶がない。そういえば、ジョン・アップダイクの「カップルズ」は当時の友達に読んでもらったのだが、評判が今ひとつで、おまけに翻訳本はいつの間にか絶版になってしまった。どうしてだろう。その後それに匹敵するぐらいの感動した本は、ウンベルト・エーコの「薔薇の名前」、ブコウスキーの「ポスト・オフィス」、ガルシア・マルケスの「百年の孤独」と「族長の秋」ぐらいしかない。それほどの傑作だと思うのだが。
なんかそんな事を思い出してしまった。
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