恐るべき本、赤松啓介「夜這いの民族学」

夜這いの民俗学・夜這いの性愛論

夜這いの民俗学・夜這いの性愛論

 図書館で本を物色中に偶然発見した本。借りて読んだが、結局購入してしまった。
 この本によれば、かつて日本の農村では「制度」として夜這いが行われていたらしい。数え歳で15歳になると「若衆」という村の青年組織に入り、後家さん、娘さんの「手ほどき」を受ける。女性もその歳になると、この人ならばと見込まれた大人に手ほどきを受けたのち、夜這いに参加となるらしい。僕は日本の農村で性に関してここまでの制度があるとは知らず、この本読んでかなり衝撃を受けた。この時代から100年ほどを経て、青少年保護条例でわかるように、僕らの社会はかなり逆な方へ変化してしまった。
 確かにある面は以前より開放的になったかもしれない。現状はどうなのだろう。性という問題はなかなかややこしい。今働いている職場は30代の働き盛りが多いのだが、結婚してる人は男女とも2割ぐらい。仕事もできるし、人もよいという独身女性が多いので、つい余計な心配をしてしまう。
 その夜這いが廃れた理由についての著者の分析は、なかなか興味深い。この制度によって得られたもの、その制度を喪失して得たもの失ったものを、想像力を働かせて自分なりに検討してみるつもりだ。