スティーブン・ハンター「極大射程」

極大射程〈上巻〉 (新潮文庫)

極大射程〈上巻〉 (新潮文庫)

極大射程〈下巻〉 (新潮文庫)

極大射程〈下巻〉 (新潮文庫)

 忙しいから軽くエンターテェイメントでも読もうかと思い、最近映画にもなったスティーブン・ハンターの「極大射程」を図書館から借りて読んでいた。読み始めたら止まらなくなって上巻は2日、下巻はたったの3時間で猛スピードで速読。ストーリーの面白さに引き込まれたのと速読によってハイな状態になり、読み終わった時はなんと午前3時半。この本のおかげでクリスマスに猛烈な寝不足の追い打ちを掛けてしまう結果に。もう少し折り目正しい生活をしようと今反省してしまう
 「極大射程」は、ベトナム戦争で伝説的狙撃兵して活躍した元海兵隊員が、国家的組織の陰謀により暗殺者の濡れ衣を着せられ犯罪者として追われるが、持ち前の腕で果敢にその組織に立ち向かっていくというストーリーだ。主人公が狙撃兵ということで、話も狙撃事件や銃絡みの事で進行する。当初はペーパーバックでのんびり読もうと思っていたのだけど、銃関連の専門用語のあまりの多さに辟易しギブアップ。日本語訳を読むことにした本だ。日本は銃を持てないし、「撃鉄」、「銃口」、「照準」などに相当する英語なんかそう簡単に理解できるわけがない。また銃のメーカーも知らないので、登場する銃がどのような形かも当然判らず、気分を出すためインターネットで調べたりもした。
 でもこの本のストーリーは面白い。悪の組織に立ち向かう一匹狼、という黄金律の設定。しかもこの小説は狙撃兵でさらにクール。後半の多数の的を相手に得意の狙撃で対抗するシーンはなかなかスリリングだった。いささか強引なストーリー展開もあるけど、「お約束」としてもいいような感じかな。十分楽せてもらった。