いろいろ大変

[memo]年末に起きたあることについての極めて個人的なメモ
 12月30日の夜、Nから電話があって、Mが亡くなったことを知る。そうか、ついに逝ったか。力尽きたか。僕はそう冷静に受け止めたつもりだった。彼女は10年程前に乳ガンにかかり、一時は治癒したものの、4年程前に転移が見つかり、それからずっと闘病生活が続いていた。ここ1年は、会うたびに衰えているのがわかった。いつかこんな日が来るのは避けられないとは知っていた。でも僕は彼女には何もしてやれない。僕は彼女にしてみれば「友達の友達」のような存在でしかない。たまに友達の家に遊びに行くとそこにいるメンバーの一人でしかない。育児の苦労、最近の面白い出来事の報告などの他愛ない話をするだけの関係だ。彼女の人生に深く関与している訳ではない。でも実際、彼女の死という事実を前にすると、もう彼女とは会えないと思うと、他愛ない話が出来ないと思うと、不思議と切ない気持ちになってくる。やれることはいくつもあるのに、もう長く生きられない、というのはどういう気持ちなのだろう。僕はのんびりのらりくらりと生きている。少々うまくいかないことがあっても、まあどうにかなるさ、と思うことがある。それは明日死ぬと思っていないから出来ることだ。脳天気さは、まだ明日を信じている証だ。僕があと数ヶ月の命としたら、僕は友達の脳天気な会話を楽しむことが出来るのだろうか?そう考えだしたら、彼女を知る人には年賀状も年賀メールも出しにくくなってしまった。よい天気の日が続いた年末年始なのに、こころの中では靄がかかって何か一つスッキリしない日々だった。僕と同じ40代で、いろいろしたいことは沢山あったろうが、充実した1生だったろう、と祈るのみだ。