憂鬱な日々

 月曜日の午前中は何ともなかったのだが、午後から何となく寒気を感じ、それが抜けないまま喉の痛みがひどくなってきたので、結構やる気満々だったジムでの水泳トレーニングをキャンセルして真っすぐ帰宅した。夕飯の後はイソジンで何回もうがいして、久しぶりにその日の内に眠った。
 昨日の火曜日は、なんとか体調を持ち直したものの気怠さがぬけず、なんとか仕事をこなした。体調もさることながら、昨日は鬱々とした気分をなんとかしたくて、同じ職場の男性と何となくいつものベルギービール屋へ。互いに仕事、人間関係、その他諸々のことを吐き出し鬱々とした気分を紛らわす。このところ職場では様々なことがあり、僕も彼も少々自我を抑えねばならないことが続いていて、かなり疲れが溜まってきている。
 今日も仕事の乗りは本調子ではなかったが、体調はよかったので、仕事の後はジムで水泳トレーニング。久しぶりに計1km泳ぐ。去年の秋までは水泳計1500mのトレーニングを週3回していたのだ。結果的にはそれがオーバーワークだったのだが、まあその7割ぐらいのトレーニング量までに戻したいものだ。
 とはいえ、なかなか自分のなかにある憂鬱な気分の晴らすのは難しい。水泳は泳げるし、カミサンや娘が元気でいてくれるのも、それはそれでうれしいのだが、なにか物足りない気分なのだ、ボルヘスを読んだ今は・・・。いや読んだといえるのかどうかも自分には確信がない。読んでみて、改めて自分の無知を知るに至った、それが憂鬱の理由の一つ。散々時間を掛けて、一つ一つの言葉に注意を払って読んだにもかかわらず、この本について何も言えない自分に気付く。まだまだ理解力も、知性も足りないのだ。
 そして憂鬱の大きな理由は、このように労力をかけて読んだにもかかわらず、僕の周囲にはボルヘスを読んだことのあるひとは一人も在らず、これについて語ったりするごとができないことだ。僕の周囲の話題は、狭い世界の人間関係、他愛ない時事の話題ばかりだ。そうボルヘスを読み、僕は孤独になってしまった。

 この「伝奇集」の中にある「バベルの図書館」は、ウンベルト・エーコの「薔薇の名前」に出てくる図書館のモチーフだ。これが自分が今この本について自信を持って言える事。やれやれ。

伝奇集 (岩波文庫)

伝奇集 (岩波文庫)

薔薇の名前〈上〉

薔薇の名前〈上〉