ひさしぶりのオフの過ごし方

 今日は久しぶりのオフだ。仕事も家族サービスもオフ。
そんな日が月に1日もないと本当にきつい。
 朝娘の幼稚園に送っていくことだけやってあげて、あとは自由時間。品川の原美術館へ行く。
事前に原美術館の場所を細かくチェックするのを忘れ、品川駅から見当違いの方向へ向かってしまい少し迷う。その近所にお住まいと思われる、2人の幼な子を連れた上品で親切な若いママさんに丁寧に道を教えて頂く。今日は本当に暑くて、原美術館に着くまで辛かった。

ヘンリー・ダーガー展」原美術館

 もう何年前になるだろう。美術評論家椹木野衣がテレビでヘンリー・ダーガーを紹介しているのを観たのが最初だった。81歳でこの世を去った天涯孤独な男が残した、膨大な量のファンタジックストーリーの原稿とそれをテーマにした絵画。両性具有の少女達を主人公にした子ども達と大人達の長い長い戦いの幻想的ストーリー。そのテレビ画面に映し出された、寂しい人生とは対照的な鮮やかな色彩の絵が、僕の意識に突き刺ささるような形で残っている。彼の作品はこれまでも何度か日本で紹介されてるようだが、僕が観るのは今回が初めてだ。
 
 幼い時に両親を無くし、諸事情によりまともな教育を受けられなかったと聞いていたので、実は絵のクオリティについてはあまり期待をしていなかったが、実際に絵を観てみると、色彩感覚、構図も想像以上にすぐれていてかなり驚いた。創作活動は、拾い集めた雑誌の切り抜きのコラージュから始まったとされているが、おそらくそのコラージュ制作の試行錯誤の中で自然と身に付けたものかもしれない。少女達の楽園を描いた作品は目映いばかりの色彩で本当に奇麗だった。
 
 自分も妄想する事はある。自分を主役にしたストーリー、空想上の人物のストーリー、それはもう様々だ。だけどそれを形あるものにしようとはしていない。現実を生きる事に追われているものの、幸運にも不幸という思いは味合わずに済んでいる。でもヘンリー・ダーガーの場合はどうだろう。低賃金の仕事、身よりもなく、心開く友達もいない。人とうまく接することも難しい。そんな彼には妄想こそ救いであり、自由であり、ある意味生きることそのものだったように思う。ここにある作品すべてが、彼が自分のためだけに書いたものだ。いわば彼の生き甲斐そのものだ。そう思うといささか複雑な気分になった。

東京ミッドタウン雑記

原美術館を出て大通りにでたら、六本木方面へ向かうバスをみつけたので、とくにアテはなかったけど、それに乗って六本木けやき坂へ行く。テレビ朝日近くのTSUTAYAで少し立ち読みし、その後東京ミッドタウンへ。確かににお洒落なお客さんも多い。金回りもよさそうに見える。ただ、スターバックスコーヒーなどいくつかの店が良く行くイオンとかジャスコとダブっているせいか、ミッドタウンがいささかお高めのショッピングセンターに見えてくる。セレブも庶民も「一つのコンセプトで作られた商店街」が好きなようだ。