「孔子伝」に思うこと
仕事に集中できない。日曜の夜、脇の下の筋が「ぎっくり腰」のような状態になってしまい、その痛みがまだ抜けてないからだ。もともと今の現場の仕事に、というより今の現場そのものに飽きている。そこで脇の下の痛みだ。やる気も失せてしまう。明日はもう少しちゃんとやらないと。
「孔子伝」読了。
- 作者: 白川静
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2003/01/01
- メディア: 文庫
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白川静の「孔子伝」を読み終わった。実は先週の金曜日に読み終わっていたのだが、この本が持つ怒濤のような知性の気迫にあてられて、しばし茫然自失となるほどの、読了後の余韻に浸っていた。
とにかく圧倒された。書き手である白川静の情熱が溢れてて、ぐいぐいと引き込まれてしまった。今、情熱を書いたが、白川静は只闇雲に孔子をすばらしいと気持ちを熱くして書いているわけではない。この人の文体はむしろクールだ。孔子とは如何なる人物かを、判明している事実と推理を交えて冷静に解説している。だけど冷静な姿勢の中に、全身全霊といえるくらいの情熱を感じてしまった。彼は孔子を語りつつ、なにか別なことを言わんとしている、と。
孔子の時代と、今の時代とを考えくらべてみると、人は果たしてどれだけ進歩したのであろうかと思う。たしかに悪智慧は進歩し、殺戮と破壊は、巧妙に、かつ大規模になった。しかしロゴスの世界は、失われてゆくばかりではないか。
「孔子伝 文庫版あとがきより」
僕は古文が苦手で、孔子についての知識も殆どない。あえて恥をさらすけど、この本の中で引用される「論語」その他の文語体の訳文は理解できなかったのも少なくない。でもそこをなんとかこらえて読み続け、このあとがきの一文に到達したとき、正直感動した。
それ以外にも、この本には、様々なエッセンスが入っている、極めて付加価値の高い本だ。