もう一人の自分

 そんな疲れがあるせいか、仕事中など、目の前の現実が受け入れられず「何故ここでこんな事をやっているのか」と思うことが、今週は多かったような気がする。それなりの仕事に没頭しつつも、常に違うもう一人の自分を感じていた。その「自分」は自由な世界への強いあこがれを持っている。そんな彼の視線を感じながらも、ぼんやりとすることもあった。
 大概の人は自分の望みとは違う暮らしを渋々受けて生きている。しかしながら、僕はもう45歳だというのに、まだまだこの現実に対して居直れない。