1周年特別企画

2007年に読んだ面白かった本ベスト5

 1位:アルフォンソ・リンギス「信頼」asin:4791762339
 2位:マイケル・ギルモア「心臓を貫かれて」asin:4167309904 asin:4167309912
 3位:白川静孔子伝」asin:4122041600
 4位:赤松啓介「夜這いの民俗学asin:4480088644
 5位:ミッシェル・ウエルベック素粒子asin:4480421777

 5位のミッシェル・ウエルベック素粒子」は、ある種、下品で野卑で絶望的な話だ。でもそれらは皆僕らの今の世界に蔓延しているものだ。この小説がそれらを描いたことに僕は凄く感心している。
 4位の赤松啓介「夜這いの民俗学」の内容には正直ビックリした。かつての日本のこのようなことが有ったなんて。この本の話を青森育ちの今年80歳のオヤジにしたところ、なんかの祭りの時、年頃の娘さんがいる家はとにかく家の前に父親が出てきて、道行く若者を片っ端から捉まえて家に上げてご飯や酒などで歓待する、という風習の思い出話をしてくれた。給仕役に娘さんを使っていて、いわゆるお披露目を目的としたものらしい。それに乗じて「悪さする年上の男達の自慢話を聴かされ参った」とのこと。いまさらながらこんな親子の会話ができたのもこの本のおかげだ。
 孔子についてはあまり興味がなかったのだけど、習字関連の書籍で白川静について興味をもって読んだのが3位の白川静孔子伝」だ。読んでみて、それまで白川静を知らなかった自分が情けない、と思ってしまったほど衝撃を受けた。
 2位「心臓を貫かれて」はこのブログでも書いたけど、読んだ前後で世界の見方が変わる本だ。少なくとも僕は変わった。嫌悪と怨念の対象にも存在する理由があると言う事を知ったからだ。
 1位のアルフォンソ・リンギス「信頼」はかなり深い本だ。もっともっと知られても良い本だと思う。そして色々な人の意見感想を聴きたい。それによって僕も様々なことを学べそうな気がする。この本が言う、僕らが何かを信じ、愛し、恐れ、嫌悪するのはは未知なることなのだ、という示唆に希望を感じた。

まあこんなところか