慌ただしいなかで

 暑さもピークを過ぎたとはいえ、累積の疲労であまり読書に集中できない。電車の中でもボーッとしたり、携帯電話に入っているオセロゲームをしていることが多い。仕事に追われ、育児に追われ、目先のことを片付けるのに精一杯で、自分から仕掛けていない。こどもも元気で、一見充実してるように見えながらも、精神的にはギリギリでゆとりがない。仕事でも色々と凹む出来事も多くてやる気がでない。正直、将来はもちろん明日でさえ見えない感じがする。
 そんな不安な毎日なのだけど、先日夏に撮ったデジカメデータを整理していたら、ふと今年は去年の数倍もの枚数の写真を撮ったことに気付いた。晴れの日が多く近所とはいえ良く外に出かけたのもあるけど、4歳で幼稚園の年中になると、友達と絡んで遊べることもある。夏祭りや、花火大会、プール等々、様々な場所で仲良しの友達と得意のポーズで決めた娘の写真が圧倒的に増えていた。「たのしそうだなぁ。」と見ているうちに、何故か僕は井上陽水の「少年時代」を口ずさんでいた。この歌を父親の立場で歌うとは・・・
 思い返せば夏の初めは水に顔を付けるのも怖がっていた娘だが、友達と遊んでいるうちに潜れるようになっている。娘にとってはささやかながら有意義な夏を過ごせたのかもしれない。
 ギリギリ生活なれど、最低限の務めは果たせたかな、と信じたいこのごろである。