愛が迷走している

 「恋愛とは何か」なんて妻子持ち中年男が考えることか?と思う人もいるかもしれないけど、男女とも30代以上の7割以上が独身という職場の実体を見ていると、なぜこのようになったかを子供のためにも考えなければいけない、という気持ちになっている。「オレの娘はどこにも嫁にださん!」的な感情はあまり起きない。親として寂しいものの、できれば娘にはいい出会いがあり、いい恋愛をしてほしいと願っている。
 ただ僕は独身という生き方を否定してるわけではない。実体を基本に考えてのことだが、「客観的に見て楽しい独身生活」というのはかなり高尚で難しいことではないかと最近思うようになった。「恋愛なんて面倒で」と苦笑いする彼らから、荒んだ侘しさのようなものすら感じる時がある。男女間が分断され、コミュニケーション不全になっているようにも見える。男は行く場のない性的エネルギーにより精神的自傷に走り、女性はそれを内深く閉じ込めてしまっているようだ。なぜそうなったのだろう。
 その答えはきっと一つではない。様々な要因が重なってだと思う。その答えを色々探しつつ、将来機会があれば娘やその友達に「人を慈しむとはなにか」「愛とはなにか」を伝えられることができたらなあ?と考えてしまった。