「ウルピーノのヴィーナスー古代からルネサンス、美の女神の系譜」国立西洋美術館

http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/current.html#mainClm
徹夜明けに立ち寄って観た展覧会。かなり疲れてはいたけど、大変良かった。ローマ、ギリシャ時代は現存している彫刻を見たとおり、肉体の美しさを讃えている。 キリスト教が普及すると肉体美は不純なものとなるが、ルネサンスの到来と共に人間の肉体美の讃歌が復活する。という流れを見れて面白かった。
中でも「ウルピーノのヴィーナス」は秀逸だった。

徹夜の仕事明け

 4月の19日土曜日の夜から20日日曜日の朝まで徹夜で仕事した。あるネットワークシステムソフトウェアの入れ替え作業に駆り出されたのだ。あまり大きな声では言えないが、万が一のことがあったら社会的影響が大きい、かなり規模の大きなネットワークシステムである。特別な許可を得て、滅多に入れない本番稼働のコンピューターの制御をしている部屋に入れてもらった。
 「ここでもし自分が、万が一発狂し暴れてコンピューターを壊したら大変なことになる」なんて考えたらなんかワクワクしたが、無事発狂することなく、入れ替え作業も滞りなく進んだ。自分の仕事は、何らかの障害が有った時、その作業手順書を元にオペレーションする、というものだったが、結局は電話番をしただけに終わった。やれやれである。入れ替え作業に問題が無かったので、明け方にはやることが無くなり、朝9時の解散の時間まで椅子に座って仮眠。あまり眠れなかった。
 その立ち会い作業場所から帰る途中に上野があり、なんとなく気分で国立西洋美術館で「ウルピーノのヴィーナス」を見る。早めのランチを「一蘭」のラーメンにして帰宅。その午後昼寝。変な時間に寝たせいか夜は何となく起きてしまう。でもブログを更新する気力はなく、ボンヤリとテレビを見たりネットを見たり過ごす。その時差ボケ感覚は昨日まで続く。
 今日23日水曜日は徹夜作業の振替休日。子供を幼稚園に送り、そのあとはベッドに寝転びながら、先日掃除した時に見つけた「すばる」2007年3月号に掲載されている、森まゆみさんが書いたシベリア鉄道紀行を読む。森さんは、明治45年にシベリア鉄道に乗ってパリまで旅行した与謝野晶子の足跡を追う旅をしたらしい。その紀行文によれば、与謝野晶子は13人子供を産み、11人育て、詩、小説、童話を書いたらしい。一晩の徹夜で2、3日もボンヤリしていてはダメだなぁ〜と反省する。
 その他「すばる」2007年3月号で気になったのは、ウィリアム・T・ヴォルマンというアメリカ人作家のインタビューとエッセーだ。アフガニスタン旧ソ連軍と戦うムジャヒディンに会ったりと、かなり行動力豊かな作家なようだ。日本に関する彼のエッセーも載っているが、ヤクザ、ゲイ、アイヌ、能と観点が幅広い。日本の文化にもかなり精通しているようだ。この人を知っただけで、振替休日はかなり得した気分になった。

疾走する読書

[reading]「オン・ザ・ロード」 ジャック・ケルアック 青山南

  
 この本は、作家ケルアックの名前を聴いたことがある程度で、他の予備知識を全く持たずに読んでしまった。いわゆるビート・ジェネレーションというものも実はよくわかっていない。読みたい本が色々あってなかなか手が出せず、今までノーマークだった小説だったのだけど、今回新訳が出版されたのを機に読んでみる事にした、という訳だ。
 そんな状態で読んでみたものの、正直最初は大変戸惑ってしまった。第2次世界大戦従軍復員給付金などを使って食いつなぎながら小説を書いている、ややモラトリアムがかったサルと、あまり幸福とは言い難い生い立ちの少年院出のディーンを中心に繰り広げられる大した目的もない、やるせない旅の話にかなり唖然、それなりに真面目に働き家族を養ってるという自負のある僕の目からみれば、この主役の二人などは呆れた人間としか思えなかった。
 でも読み進めていくうちに、だんだんと面白くなってきていて、60年代の若者を虜にした小説、というのも何となく判るような気がしてきた。これは翻訳家青山南さんを褒めるべきだとは思うけれど、この小説の文章が大変よいと思う。ディーンの運転による猛スピードで疾走する描写、ジャズの演奏とそれにのめり込む登場人物たちなど、音楽に関する描写が、言葉のうねりというか、ドライブ感覚というか、とにかく力強くてスピードがあって、本当に凄い、の一言。またさらに、この本の一番の魅力は、ディーンというこの登場人物そのものだと思う。女たらし、嘘つき、万引き程度のこそ泥は四六時中、定職ももたず、女とみれば追いかけて口説く。結婚もして子供も生まれているのに、それら家族を捨てて旅に出てしまう。はっきり言えばダメな人だ。でもこの本を読み進めるうちにディーンという人間の、小市民的生活がどうしても出来ないキャラクターという切実さと、旅をし続けること、ジャズを聴く事、そして女達との、刹那的な快楽をピュアに求めて続けている、というところに裏表のない純粋さを感じている。
 でもディーンのような生き方は凄いと思うものの、人には勧めることは難しい。この小説にはハッキリとは描かれてないけれど、ディーンの様に生きるには何かしら強いトラウマが必要だからだ。
 とはいえこの本は色んな意味でおもしろいと思いました。疾走する文体を是非とも堪能して欲しい。

今読んでいる本。

 このケルアックの「オン・ザ・ロード」はヒッピー文化にかなり影響を与えた本らしい。
 最近、通勤中に日記を書いているため読書の時間が少なくなっている。この本は登場人物が多くて、そのキャラクターを確認しながら読んだり、その時代背景を調べたりしながら読んでいるので結構大変だ。読み進むペースがかなり落ちている。でもなかなか興味深い登場人物もいて結構面白く読んでいる。一週間で半分。残り200ページ強。

日々の積み重ねを大切に

 カミサンと子供が帰省中に大掃除をした。大掃除をしながら精神的にかなり凹んでしまった。3年前のレシートやダイレクトメール束が出てきたりして、なんというか、ズボラな自分を再確認したような。まあここ数年色んな意味でキツいことがあって、そういう生活の雑事を片付けることをサボって本の世界に逃げていたとも言える。でも生活の雑事って積み重なってくると、後々アタフタする程大変なことになって、かえってストレスになったりするものだ。あげくのはてにゆとりを失い、消耗する結果となる。今の僕のように。物忘れ、ウッカリ、ストレス発散の夜更かし、さらに消耗、という悪循環に陥っている。
 今週から物忘れ対策として、遅ればせながら手帳を活用するようにした。雑事は小さいうちに片付けて、溜め込まないようにする。日々のやりたいことについて優先順位を決めて、ダラダラと夜更かししないようにする。そんなことを実践しようとしている。消耗しないようにコンディションを整えれば、集中力を持つことができて、空いた時間にブログ更新する時の効率UPに繋がるのではないか、と考えている。ともあれしばらくは睡眠時間を確保し良く眠ることを目標にしている。

ダンカン・ウォン、イけてる男のヨガ

 先日あるイベントで、この人とヨガに接することができた。
 マドンナなどのセレブのヨガの先生だったらしい。
 間近で見るとしっかりと鍛えた体の持ち主であることが判ったし、彼のヨガの動きは、上質の躍動感と生命力に溢れていて、ちょっと色気もあって、男の僕でもかっこいいと思わせるオーラがあった。
 この動画の中のヨガの連続ポーズ、この人滑らかに簡単そうにやっているけど、凄いんだよね、本当は・・・ 
 体の堅い僕には、彼のポーズと同じことは出来ないけれど、一緒にヨガをしていて、彼から元気を分けてもらったような気がする。人生楽しまないとね、としみじみ思った。
 

 

No country for middle-aged men

 仕事上の付き合い酒で何かと忙しい日々が続く。このブログを読めばわかるけど、僕はかなり一般的な人間ではない。無論ちゃんと仕事はするけどね。付き合い酒もそれなりに盛り上げるけど、やはりねぇ、その努力の割に実りがあまり無いというか、宴会でそれなりに立ち回ってもどうも周囲から浮いた感じがして、ただ周囲となじめない自分を再発見するだけで終わってしまう。本や音楽の趣味が職場では異質、というのは自覚しているが、40代子持ちという一見在り来たりの背景が、実は今の現場では珍しい。40代独身もかなりいて、30代独身もなんと7割程もいると言う状況はある意味辛いところではある。別に独身であることを責めるつもりはないのだけど、彼ら彼女らと接していて気になるのは、各々内容に違いがあるが、独特のナイーブさだ。皆それぞれこだわりがあって、それについては妙に寛容性が無くなったり、極端に無関心になったりする。自分の年齢的に現場のまとめ役を仰せつかることが多いが、そんな彼らの狭間で結構苦労している。僕も30代前半までは独身だったので、彼らの状況は想像できるが、彼らは育児の苦労をあまり理解できないようだ。それがますます僕を精神的に孤立させる。ただでさえ、古い価値観と新しい価値観の狭間におかれることが多く、迷うことも多いのに。気が付けば変わった時代になったものである。